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子どもの生活習慣に悩む保護者必見!発達障害のある子どものための生活習慣のヒント

COLUMN

子どもの生活習慣は、心身の健やかな成長と学習意欲の向上に深く関わる大切な要素です。
子どもに生活習慣をしっかりと見つけてもらいたいと思っている保護者の方は多いかと思います。
しかし、一般的に子どもの生活習慣を整えるには難しく、特に発達障害の特性を持つ保護者の中には大小様々な悩みを抱えていらっしゃる方も多い現状があります。
本コラムでは、生活習慣が子どもに与える影響や、生活リズムが定着しにくい理由、そして家庭で取り入れやすい具体的な工夫についてご紹介します。

生活習慣が子どもに与える良い影響


生活習慣を整えることは、子どもの心身の発達に大きく影響します。特に発達の特性を持つ子どもにとって、一定の生活リズムを維持することは、心身の健康を保つためにとても重要です。規則正しい生活を送ることで、日頃のストレスが軽減し、情緒が安定し、学習への集中力も高まりやすくなります。

生活習慣が大切な理由

生活習慣の中でも特に重要なのは、睡眠や食事などの基本的な生活リズムをつけることです。しっかりとした睡眠がとれないと、注意力や集中力の低下につながり、学習の効率が下がってしまうことがあります。決まった時間に寝起きする習慣をつけることで、体内時計が整い、日々の活動がスムーズに進みやすくなります。

また、食事を決まった時間に摂ることで生活のリズムが整いやすくなり、精神面の安定に繋がります。子どもの特性によっては難しい場合もあるかと思いますが、無理のない範囲で生活リズムの軸にしやすい睡眠と食事のリズムをつけるのがおすすめです。

子どもが身につけたい主な生活習慣


日常生活の中で習慣化したい主な項目は以下の5つです。毎日の決まったタイミングや、日常生活の中でのルールを整えることで、生活習慣も整いやすくなります。

  1. 睡眠のリズムを整える
    • 小学生では8〜10時間、中学生では7〜9時間の睡眠が理想的とされています。
    • 就寝・起床時間を一定にすることで、スムーズに眠りにつきやすくなります。
  2. 規則正しい食事
    • 栄養バランスのとれた食事を決まった時間に摂ることで、体内リズムが安定します。
  3. 清潔を保つ習慣
    • 歯磨きや手洗いなど、毎日の衛生管理を習慣づけることが健康維持につながります。
  4. トイレのリズムをつける
    • 排泄のリズムを整えることで、安心して生活できる環境を作ることができます。
  5. 着替えの習慣を身につける
    • 朝と夜の着替えを習慣にすることで、気持ちの切り替えをしやすくなります。

これらの習慣は、毎日繰り返すことで少しずつ定着していきます。最初は難しく感じることもありますが、無理のない範囲で少しずつ進めていくことが大切です。

研究が示す子どもの睡眠と生活リズムの重要性

睡眠や生活リズムと子どもたちの発育は関係があると言われています。日々の生活に一定のリズムを設けることができれば安心感や情緒の安定にも繋がりやすく、特定の症状が緩和するかもしれません。

子どもの睡眠習慣の乱れ

最近の調査によると、5歳の子どもの約18%が睡眠に関する問題を抱えているとされています。特に、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもの約50.4%、注意欠如多動症(ADHD)の子どもの約39.8%に睡眠の問題が見られることが報告されています。

また、夜遅くまで起きていることが発達障害の症状と似た影響を与える可能性も指摘されています。名古屋大学と浜松医科大学の研究では、夜10時以降に就寝する子どもはADHDと誤診される可能性があることが分かっています。

以上のことから、どのような子どもでもしっかりとした睡眠時間を適切な時間帯に確保することが非常に重要で、必要のない投薬を避けるためにも、適切な睡眠習慣を整えることが大切だということが分かります。

子どもの生活習慣を整えることは、単に健康を維持するだけでなく、将来の学習や社会生活にも良い影響をもたらします。子どもの特性に合わせた方法で、少しずつ無理なく取り組んでいくことが大切です。

子どもの生活リズムが心身の健康・学業に与える影響

ベネッセ教育総合研究所と早稲田大学の共同調査によると、生活習慣の乱れが子どもの心身に与える影響は大きいことが分かっています。特に以下のような生活習慣が不規則な場合、心の健康面での課題が多く見られる傾向があります。

  • 平日と休日で1時間以上の生活リズムのずれがある
  • 就寝前に長時間スクリーンを使用する
  • 週に1日以上朝食を抜くことがある
  • 食事の時間が不規則である

一方で、「早寝早起き」「週末も平日と同じ生活リズムを維持」「デジタル機器の使用時間を適切に管理する」など毎日を一定のリズムで生活できる習慣を持っている子どもは学業成績が良い傾向にあるとも言われています。これらの規則正しい生活リズムを保つことが、学習の質を向上させる要因となっています。

重要なことは、子どもたちが規則正しい生活リズムが取れるように無理のない範囲でサポートすることです。

発達障害のある子どもの生活習慣が定着しにくい理由

子どもたちに生活リズムをつけることに大変さを感じている保護者の方は少なくありません。
特に、発達の特性を持つ子どもが生活習慣を身につける際には、いくつかの課題に直面することがあります。これらの特性を理解することで、適切なサポートを提供しやすくなります。

① 感覚過敏・感覚鈍麻などの感覚の特性

発達の特性がある子どもは、日常生活で受ける刺激に対して独特の感じ方をすることがあります。感覚過敏がある場合、普段の生活の中で強い不快感を覚え、習慣化の妨げになることがあります。

例えば、服の縫い目やタグの感触が気になったり、シャワーの水が痛く感じたり、歯ブラシの刺激が苦手だったりすることがあります。一方で、感覚が鈍い場合は、温度や痛みを適切に感じ取るのが難しく、危険を察知しにくいこともあります。

② 短期記憶やスケジュール管理の難しさ

日常の流れや手順を覚えて実行することに難しさを感じる子どももいます。これは、一時的な記憶を保持する作業記憶の特性によるもので、「手順をすぐに忘れてしまう」「面倒に感じる」「必要性を実感しづらい」といった要因があります。

そのため、習慣を定着させるためには、視覚的なスケジュールやリマインダーを活用したり、一つひとつの行動を短いステップに分ける工夫が効果的です。

③ こだわりの強さや不安の感じやすさ

決まったやり方や順序にこだわりを持つことが多く、新しい状況や変化に対して強い不安を感じることがあります。特にASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つ子どもに顕著に表れることがあります。

日々の生活習慣においても、いつもと違うやり方になると混乱したり、パニックを起こしたりすることがあります。ルーティンを守ることは大切ですが、少しずつ変化に慣れていく練習を取り入れることで、柔軟な対応力を身につけやすくなります。

これらの特性を理解し、子ども一人ひとりに合った方法でサポートすることが、生活習慣の定着につながります。

発達障害のある子どもの生活習慣が定着するためにできる5つの工夫

生活習慣を整えるのは難しい場合もありますが、日常の中の成功体験を積み重ねるチャンスにもなり得ます。日常で無理のない工夫をすることで、子ども達が生活習慣をうまく定着させるきっかけを作ることも可能です。工夫の例として、5つのポイントをご紹介します。

① 視覚支援で「見える化」する

発達の特性を持つ子どもにとって、視覚的な情報を活用することは理解や行動の助けになります。写真やイラスト、シンボル(ピクトグラム)を使った支援ツールを活用することで、日々の流れをわかりやすく示すことができます。特に、朝の支度や就寝前のルーティンを手順カードで示し、タイマーなどを使ってタイミングを促すと、子ども自身が見て確認しながら行動できるようになります。

視覚支援のメリット

  • 1日の予定を明確に把握できる
  • 活動の順序や手順が理解しやすくなる
  • 不安やストレスの軽減につながる

② 小さな成功体験を積み重ねる

生活習慣の定着には、子どもが「できた!」という実感を持つことが大切です。最初は簡単なことから始め、できたことを具体的に褒めることで自信につながります。できたことが増えていると実感できるように小さな報酬制を取り入れるのもおすすめです。

例えば、歯磨きの習慣づけでは、最初は30秒から始め、徐々に時間を延ばしていくと良いでしょう。シール帳やポイントカードを使った報酬システムを活用すると、モチベーションの維持に役立ちます。

③ 一貫したルーティンを設定する

発達の特性を持つ子どもは、予測可能な環境の中で安心感を得ます。毎日同じ時間・順序で行動することで、生活習慣が定着しやすくなります。

ポイント

  • 起床・就寝時間を一定にする
  • 食事の時間を固定する
  • 休日も平日と同じ生活リズムを保つ

④ 感覚に配慮して環境整備を行う

子どもの感覚特性に応じた環境調整も大切です。例えば、タグのない服を選んだり、柔らかい歯ブラシを使うことで、生活習慣への抵抗感を減らせます。

環境整備のポイント

  • 刺激の少ない照明を選ぶ
  • 子どもが好む素材の服をそろえるようにする
  • 音の反響が少ない空間づくり
  • 温度や湿度を適切に管理する

⑤ 療育や発達支援など、専門家による支援を活用する

発達支援センターや療育施設の専門家と連携することで、子どもの特性に合ったサポートを受けることができます。

活用のポイント

  • 定期的に相談して進捗を確認する
  • 家庭でできる具体的な方法を聞く
  • 学校との連携を図る


これらの工夫を組み合わせることで、子どもに合った生活習慣の定着がしやすくなります。

発達障害のある子どもの生活習慣で悩んでいるなら、AIAI VISITに相談してみませんか?

子どもの生活習慣を整えることは、健康面だけでなく、将来的な学習や社会生活にも大きなプラスとなります。特に発達障害の特性をもつ子どもの場合、視覚支援や小さな成功体験の積み重ね、一貫したルーティンの設定などが効果的です。
しかし、生活習慣を整えるのは思うようにいかないことも多いのではないでしょうか。

AIAI VISITでは、専門知識豊富なスタッフが、お子様一人ひとりの状況に合わせた個別の支援プログラムをご提案します。
AIAI VISITの保育所等訪問支援は、お子様が普段通っている幼稚園、保育園、小学校での様子を把握しながら、より良い生活習慣を身につけるためのサポートを行います。
保護者の皆様が一人で悩まず、専門的な支援を活用して、お子様の成長をサポートできるよう、AIAI VISITがお手伝いします。まずは、お気軽にご相談ください。

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